ハイパーハードボイルドグルメリポート

すごい本に出会ってしまった。
私はspotyfyのポッドキャスト「ハイパーハードボイルドグルメリポート」を聞いていて、その内容は「安楽死飯」「イルカ漁メシ」「福島飯」「元受刑者飯」などタイトルの通りで、1ヶ月後に安楽死をする人が何を食べているのか、イルカ漁をする人やイルカ漁に反対運動をする親子が食べている飯、福島で被爆して誰もいないエリアに1人暮らす人が何を食べているのか、自身も元受刑者で今は出所した人の面倒を見ている人が食べる飯。その人が普段の飯を食べるところを見せてもらう番組。
そんなある日、本屋でその番組の本バージョンを見つけて一気に読んでしまった。 ポッドキャストの「飯」は日本国内のみだけど、こちらは世界に飛び出していた。リベリア、ロシアの山奥、台湾、ケニア、そこで暮らす人たちの食事を見せてもらう。 この本に書いてあることはネットフリックスの「ハイパーハードボイルドグルメリポート」で放送しているので、ぜひ見てほしい。 ディレクターの上出遼平さんの取材スタイルと文章の書き方が独特で、この人は何を読んできたんだろうと興味が出た。 どんな境遇の人でも絶対に哀れまないのが上出さんの取材スタイルで、そこにもとても共感した。 カメラを持っての取材が暴力的だと自認していることも。 絶対に哀れまないのがポリシーだとしても、どうしてもカメラを向けられない場面もある。そんな時はカメラを降ろす。 そういう優しさを持つ人だから話をしてもらえるんだろうなと思う。 この番組を見たり聞いたりしていて、数年前の上の千鶴子の東大の入学式での祝辞を思い出した。 「あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。」 #ハイパーハードボイルドグルメリポート